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【NOSTブログ‣2026年4月 第2回】Q17・Q33の回答が「分水嶺」になる。アウトプットの罠を抜け出し、経営の「果実」を定義する
——【THE DIVIDE:分水嶺編】「インプット」に執着せず、組織に芽生える「アウトカム」を見つめる

前回は、健康経営度調査票を一問一答の事務作業として捉えるのではなく、全体を鳥瞰し、自社の存在意義を示す「一連の物語」として描く重要性についてお伝えしました。
しかし、どれほど壮大な物語を構想しても、その「結末」が曖昧なままでは、読み手であるステークホルダーの心は動きません。
物語における結末とは、健康経営を通じて組織にどのような「実り」をもたらしたいのかという設計思想そのものです。
今回は、多くの企業が陥りがちな「アウトプット(施策の反応)」の罠を解き明かし、Q17・Q33*(経営戦略と健康経営の連動を問う設問)において定義すべき真の「アウトカム」について深掘りします。
*Q17・Q33:従来の「健康経営で解決したい経営課題」から、経営方針と連動した「健康経営の推進方針」「目標」「KGI(アウトカム)」の記載へと変更された、各社の健康経営の「設計図」を問う健康経営度調査票の最重要設問(大規模法人部門ではQ17、中小規模法人部門ではQ33)。
目次
- 「参加率」を追うほど、健康経営は形骸化する
- アウトプット(KPI)・アウトカム(KGI)の違いを整理する
- Q17・Q33は、経営からの「バックキャスティング」の結節点
- まとめ:施策を「捨てる」勇気は、アウトカムの定義から生まれる
1.「参加率」を追うほど、健康経営は形骸化する
健康経営の現場でよくある光景として、例えば、ウォーキングラリーという施策を行った際、事務局の目が「参加率(アウトプット)」ばかりに向いてしまうことがあります。
参加者を増やすためにインセンティブを用意する……。
しかし、それは本来の目的でしょうか?
「何人が参加したか」というアウトプット(反応)に固執しすぎると、施策を実施すること自体が目的化し、現場の「やらされ感」を助長する結果を招きます。
これでは、第1回でお伝えした「自社ならではの物語」は霧散してしまいます。
2. アウトプット(KPI)・アウトカム(KGI)の違いを整理する
健康経営のストーリー展開を打ち出すためには、次のような用語をきちんと区別して使えることが大切です(NOSTでは、以下のように定義しています)。
- インプット: 投じるエネルギー(施策・予算)
- アクティビティ: 行動変容を導くための場づくり・仕掛け
- アウトプット(KPI): 手応え・反応(参加率など)
- アウトカム(KGI):実り・果実(Out・外に / Come・出てきた結果)
特に、アウトプット(KPI:Key Performance Indicator)と、アウトカム(KGI:Key Goal Indicator)が混在している事例を頻繁に目にします。
ウォーキングラリーという施策(インプット)について、真の目的が「職場メンバーとの交流を通じ、お互いが助け合える心理的安全性(アウトカム)」を高めることにあるならば、評価すべきは参加率や歩数(アウトプット)ではなく、その「実り」が社員の心や行動に芽生えたか否かであるはずです。
3.Q17・Q33は、経営からの「バックキャスティング」の結節点
第1回で触れた「鳥瞰的な視点」に立つと、Q17・Q33で求められているのは、経営方針から逆算した(バックキャスティング)「アウトカム(KGI)」であることに気づきます。
そして、健康経営の各施策から見た時には、自社の経営方針にどのように貢献しているのかという「アウトカム(KGI)」が問われるということです。
「わが社は将来このような組織でありたい」というバックキャスティングの意志と、現場の施策から導き出されるフォアキャスティング。
この両者が「アウトカム(KGI)」として交差してこそ、100社100様の健康経営に魂が宿ります。
この結節点が曖昧なままでは、物語は「絵に描いた餅」に終わります。
4. まとめ:施策を「捨てる」勇気は、アウトカムの定義から生まれる
目指すべき「果実(アウトカム)」が明確に定義されていれば、もし施策がその実りに寄与していないと判断した際、勇気を持って「施策を変える・捨てる」という決断が可能になります。
Q17・Q33という分水嶺を越える鍵は、アウトプットの先にある「真のアウトカム」を描き切る力にあります。
次回は、【COMMON LANGUAGE:共通言語編】として、今回定義した「果実」を、いかにして3つの市場のステークホルダーへ語り、価値へと変えていくか、その最強の武器について紐解きます。
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