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『3つの基本運動』を取り交ぜて続けられるコンディショニングケアを!

「健康の維持・増進のために運動をしたい」と思っている方は多いですが、「なかなか習慣化できない」と悩んでいる方も多いですね。

ビジネスパーソンに多い「1日8時間座りっぱなし」といった習慣が、脳卒中などの生活習慣病リスクを高めることは知っていても、そうしたリスクを相殺するために「1日60〜75分程度の運動をするように」言われると「やってみよう」という気持ちもしぼんでしまいますね。

しかし、ここで言っている運動とは、スポーツクラブに行く時間を作って汗を流すというものだけではなく、トータルでの身体活動のことを指していると聞くと、「あと少し頑張れば手が届きそうだ」と思いませんか?

今回は『3つの基本運動』を中心に、運動についての理解を深めながら、「続けられるコンディショニングケア」について一緒に考えていきます。

運動の必要性とメリット

ヒトの体は動かすことで調子が保たれ、動かすことが減ると様々な不調が起こります。

運動不足になると、生活習慣病・メタボリック症候群に留まらず、うつ病などの精神疾患や、身体機能の低下によるロコモティブ症候群など様々な疾病を引き起こします。

運動すると血圧が下がり、生活習慣病の予防や心肺機能の改善に効果があります。また、筋力がアップすることで、基礎代謝の増加による減量効果や姿勢安定による肩こりや腰痛の予防・改善効果にもつながります。

そして、運動はメンタル面にも好作用をもたらします。ストレスを解消したりイライラを鎮めることができ、楽しく体を動かすことで爽快感も得られます。

3つの基本運動

運動には様々な種類がありますが、その中でも私たちの調子を整える上で重要な「有酸素運動」「筋力トレーニング」「ストレッチ」のことを『3つの基本運動』と言います。順に見ていきましょう!

①有酸素運動

有酸素運動とは、酸素を使いながら軽度から中程度の負荷を継続的にかける運動のことです。「ウォーキング」「ジョギング」「水泳」「自転車」「エアロビクス」などが代表的です。日常生活の中でできる「階段の上り下り」「腿上げ動作」「スクワット」も有酸素運動です。

ウォーキングのような負荷が高くない長時間での運動は、エネルギー源として主に脂肪酸を使い、エネルギー代謝の際に酸素を必要とする有酸素運動ですが、短距離走のような一気に力を発揮する短時間の運動は、エネルギー源として主にグルコースを使い、エネルギー代謝の際に酸素を用いない無酸素運動です。

健康維持においても、また、ダイエットにおいても、やっかいなのが「脂肪」です。有酸素運動は、脂肪を燃料とするので、中性脂肪や体脂肪、血中脂質であるLDL(悪玉)コレステロールを減らす効果があります。

また、有酸素運動は、心肺機能を高め、スタミナがつくことで疲れにくい身体をつくるためにも効果的です。全身の血流が促されるため、血液循環がスムーズになり老廃物も排出されやすくなります。

スマートフォンのアプリを使って、消費カロリー・移動距離・ペース・心拍数などのデータを管理するとモチベーションアップにも役立ちますね。

②筋肉トレーニング(筋トレ)

筋力トレーニング(筋トレ)とは、筋力に負荷をかける運動のことで、道具を使って負荷をかける「ウエイトトレーニング」と、自分の体重を使って負荷をかける「自重トレーニング」に分類されます。骨格に密着して骨格を動かす「骨格筋」の出力アップや持久力を高めることができます。

筋トレをすると「ムキムキになる」というイメージがあるかもしれませんが、これはやり方次第です。重い負荷をかけるウエイトトレーニングは筋肉を肥大化させますが、自重トレーニングでは自分の体重だけで負荷をかけるので、筋肉は引き締まります。

筋肉の量に応じて燃焼できる脂肪の量も増えるので、筋肉の量が増えると痩せやすい身体に変わります。なお、筋トレの後に有酸素運動を取り入れると疲労回復を早めることができますのでおススメです。

③ストレッチ

ストレッチは、筋肉をしなかやで良好な状態にするために筋肉を引っ張って伸ばす運動のことです。身体の柔軟性を高めるだけでなく、身体の調子を整えたり、疲労回復を促す効果もあります。また、寝る前にストレッチして背中や股関節をほぐすと、リラックスしやすくなり睡眠の質が高まることも期待できます。

ストレッチには、「ダイナミックストレッチ」と「スタティックストレッチ」があります。

「ダイナミックストレッチ」は、筋肉を伸ばしたり縮めたりする往復の運動をしながら行う動的なストレッチのことです。筋肉を温めて関節の可動範囲を広げる効果があり、ウォーミングアップに適しています。

一方、「スタティックストレッチ」は、筋肉を一定方向をじんわりと伸ばす静的なストレッチです。動きを止めた状態で時間をかけて行うので、筋肉が徐々に伸ばされて柔軟性を高める効果があり、疲労回復も促すため、クールダウンや寝る前のストレッチに適しています。身体が冷えている状態で急にスタティックストレッチをすると筋肉や腱を痛めてしまうことがあるため、運動後や入浴後などの身体が温まっている時に行いましょう。

自分に合った運動を取り入れましょう

「健康のために運動をした方がよい」と漠然と考えるのではなく、「自分がどんなコンディションを手に入れてたいのか」を具体的に考えてみることが、自分に合った運動を取り入れることにつながります。

◉健やかな身体にしたいなら有酸素運動

有酸素運動は、ウォーキングやジョギングのように、特別な運動経験がなくてもチャレンジしやすいものが多くあります。

ダイエットが目的であれば脂肪を燃やす有酸素運動が欠かせません。高血圧、糖尿病などの予防効果の他にも、持久力の向上やストレス解消といった効果もあります。筋トレも合わせて行えば燃やせる脂肪量を増やすことができます。

ウォーキングは、通勤時間を活用して取り組めるので忙しいビジネスパーソンにもピッタリです。自転車を漕ぐことも有酸素運動なので、自転車通勤に変えるのも良いですね。

◉姿勢や不調を改善したいなら筋トレ

筋トレによって必要な部分に筋肉がつくと、引き締まったメリハリのある身体になります。背中や太ももの裏側に筋肉がつくと姿勢の改善につながり、肩こりや腰痛を緩和することが期待できます。膝の痛みの予防や改善には、太ももの前側の筋力アップが効果的です。

自重トレーニングは、オフィスや自宅でも手軽に取り入れることができます。太もも・ヒップ・腹部・腰背部の筋トレは、日々の生活をキビキビと快適に過ごす筋力をつけるために特に大切です。

なお、筋トレの後にストレッチを取り入れれば、疲労回復も早まります。

◉運動不足から抜け出したいならストレッチ

運動不足が続くと、急に運動を始めることに不安を感じます。激しい動きがなく、マイペースで無理なくできるストレッチを、日々の生活の隙間時間に取り入れることからはじめることをおススメします。

疲労感がある時も、ストレッチで血行を良くし、凝り固まった身体をほぐしましょう。少しずつ感じられる小さな爽快感が、運動を続けていくことへのモチベーションになります。

できることから始めましょう

「運動をはじめてみたけれど続かなかった」という経験のある方も多いと思いますが、「運動が苦手だ」「運動は好きじゃない」と固辞せずに、「日常生活の中で自然と運動をしてみよう」と柔軟に考えることをおススメします。

通勤時間を利用する

通勤時間にちょっとした工夫を加えるだけで、運動量を増やすことができます。

【階段を使う】

運動量を増やすために手っ取り早いのは、オフィスや駅で階段を使うことです。近年、階段を下る時の運動効果も着目されています。1つ下の段に着地する際の刺激が、骨密度アップにつながると言われています。

【大股で早歩き】

通勤時の歩くスピードを早くしてみましょう。歩幅を広くし、足を大きく前に出して歩けばカロリー消費も高まります。出社前に体をしっかりと動かしておくことで、仕事のパフォーマンスアップにもつながります。

ながら運動する

わざわざ運動の時間を作らなくても、日常生活の中でちょとした工夫を加えるだけで、自重トレーニングができます。

【歯磨きしながら踵アップ】

腰幅に足を開き、踵の上げ下げをします。第二の心臓とも言われるふくらはぎの筋力を強化し血行を改善させます。冷えやむくみ対策にもピッタリです。

【テレビを見ながらスクワット】

肩幅程度に足を開き、両つま先を45度外側へ向けます。手は腰に添えるか、慣れてきたら後頭部で組みましょう。膝がつま先と同じ方向に向くようにしてお尻を下げていきましょう。膝を折り曲げる角度は90度位が目安です。ビキニラインを引き込む感じでやってみましょう。

足首・膝・股関節の全てが連動して動くので、足全体やお尻の筋力アップが効果的にできます。股関節周りの筋力アップは腰痛の予防・改善に効果的です。

まとめ

運動をすることで身体に様々な良い効果があることを見てきましたが、「運動をしなくてはいけない」という気持ちになると、却って運動することへのハードルが上がってしまいます。

運動は、栄養、睡眠と並んで、私たちの「肉体的な健康」のために必要なものだからこそ、私たちの身近にある習慣化にすることが大切です。

そのためにも、できることから、楽しくはじめていきましょう。

【NOSTからのメッセージ】

NOSTは、ビジネスパーソンにとっての「グッドコンディショニングの習慣化」に向けて、EASTというコンセプトでサービスを提供しています。

「過度に健康を意識せずに健康になれる」ことを目指して、Easy(簡単で)・Attractive(魅力的で)・Social(みんなが関り)・Timely(必要なタイミングでそこにある)というオンライン上のプレイスを提供しています。

「みんなで楽しく日常的に運動する」という習慣化にお役立てください。