調査票対策に終始するジレンマを越えて。経営手法としての健康経営がもたらす価値

今月は「毎年の申請作業・順位争いからの脱却」をテーマに、コンサルティング現場のリアルな変革プロセスを3回にわたってお伝えしてきました。
- 1本目:【WHY・現状打破編】「今年はブライト500(ホワイト500)だ」――順位アップの号令で疲弊する現場のリアル
- 2本目:【HOW・共創編】現場の声を会社を変える力に。「自分達で作った」と言える戦略フロー図の描き方
- 3本目:【WHO・実践編】「リソースがない」からの脱却。攻めと守りを分け、経営者が自ら語りたくなる組織へ
今回はその総括として、多くの企業が直面している本質的な問いについて考えます。
現在、多くの企業が健康経営優良法人の調査票作成に取り組んでいます。しかし、毎年のように改訂される設問を追いかけ、それに呼応するように対策セミナーが盛況になるという現状は、健康経営が「毎年の試験問題」や「苦痛な作業」と化している風潮を示しています。
大企業であれ中小企業であれ、ここで一つの分岐点に立ちます。各企業が調査票に沿って設問に答えられるような実態を作るという「形を整える」ことを今後も追い続けるのか。それとも、自社の経営方針を実現するために健康経営を活用するという「本質を整える」ことを追い続けるのか。
前者では、担当者ばかりが汗をかき、経営者も従業員も本気にはなりません。しかし後者を選べば、自社の経営方針の実現に基づく各種施策が展開され、働く環境そのものである健康風土という資産が醸成されます。その上で、健康問題に起因する損失を低減する産業保健活動がセットで展開されるのです。
経営方針(経営理念・パーパス・MVVなど)を作ったは良いものの、そのままにしている企業こそ、自社の経営方針の実現に向けて健康経営を活用することで得るものは計り知れません。中小企業においても、経営手法としての健康経営の価値は非常に大きいと確信しています。
健康経営は、認定マークを取るためのものではありません。自社の未来を創るための、従業員という資本への戦略的投資です。NOSTはこれからも、この本質を見失わず、企業変革の伴走を続けてまいります。
ノストライフ株式会社 代表
橘田 孝
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